早岐駅、二つの枯池
JR九州・佐世保線の下り列車で早岐駅に着いた時、島式ホームの端の方で、いきなり枯れた池庭跡を発見した。荒れて雑草が伸び放題だ。佐世保線と大村線が交わる要衝の駅で、まるであまたの側線に埋もれ、忘れ去られているかのような雰囲気を漂わしている。
そして早岐駅には、もう一つ池庭の跡がある。そちらの方が、はるかに驚かされる程のインパクトがある枯池だ。
駅舎に面した1番線の池庭跡は、西海橋のミニチュアが掛けられた当地版だ。西海橋は渦潮で有名で、枯上がった池には渦潮を思わす塗装が施されているのは面白いけど、枯れている様はどこか虚しい。しかし、駅の片隅にちょっと作りましたという域を超え、特撮のセットを思わす大掛かりなものだ。ゴジラか何かが出てきてすぐさま破壊されそう。
橋の両端は、何とコンクリートブロックの階段のようなものが造られていた。橋の上には緑色のマットが敷かれている。まさか以前は渡る事が出来たのだろうか…?
[2006年(平成18年) 6月訪問]
再訪
4年振りに早岐駅を訪れた。もちろん目的は“あの”西海橋だ。
ミニ西海橋は相変わらず立派だった。つつじが西海橋を彩るかの用に咲いているのが印象的だ。そして背後に列車が止まっている。駅では全くあたりまえなのだが、西海橋の背後だと、どこか不思議な光景だ。
橋の上に電飾が張り巡らされているのが目を引く。しかし日没~夜の訪問だったが残念ながらイルミネーションが灯る事は無かった。駅員さんに点灯させてらうよう頼もうかと一瞬思ったが、さすがにやめておいた(笑)
「わたれません!」
[2010年(平成24年) 5月訪問](長崎県佐世保市)
追記: その後の早岐駅の池庭跡
2014年、駅舎橋上化など、一連の構内改修が行われた。明治の洋風木造駅舎は失われる事は大きく取り上げられたが、あの西海橋のある池庭はどうなったのだろう。
2015年6月、九州を旅行した時、早岐駅に立ち寄って探してみたが、やはりと言うべきか無かった。島式ホームの端にあった枯池はもちろん、西海橋の方も…。どうやら取り壊されたようだ。本当は他の方のブログなどで、駅舎改築工事より前に取り壊されたらしい事は知っていたのだが…。あんなインパクトのある早岐駅の名物と言えるもの、実は移設されたんじゃないかと思っていた、というか思いたかった。駅の名物として、駅の片隅にでも保存しても良かったのでは…。すっかり装いを新たにした早岐駅に立ちそう思った。
早岐駅訪問ノート: 洋風木造の旧駅舎
2014年(平成26年)10月10日まで使用された旧駅舎は、駅開業の明治30年(1897年)築と言われる洋風木造駅舎だった。
佐世保線と大村線が交わる要衝で、特急列車がすべて停車する。昔からの主要駅といった風情漂わす堂々たる駅舎だ。
JR九州直営の有人駅で利用者数も多く、駅舎は実情にあわせ改修されていた。しかし、それでも細部にレトロな造りを残す歴史感じさせる駅舎だった。惜しい駅舎を失くしたものだ。
~◆レトロ駅舎カテゴリー: JR・旧国鉄の失われし駅舎 ~